広島市立大学語学センター Newsletter No.22 (2005.2.23)

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404教室 学習モニタ・記録対応教室

「大きな可能性を秘めた研究施設」

語学センター長・国際学部教授 青木信之

 404CALL講義室の特徴は、学習者の学習行動をさまざまな形で記録およびモニターできることにある。モニターのための基本操作は、404教室の隣に設置されたモニター室から行う。可能なモニター機能は以下の通りである。

1 指定した学習者の行動を2台のカメラで記録できる
2 指定した学習者のパソコン画面を、モニター室で観察しながらハードディスクに記録することができる
3 30名の学習者のパソコン画面を同時にハードディスクに記録することができる
4 モニター室に開けられた小窓から、学習者をモニターすることができる

 これらの機能を利用することにより、学習者の行動や心理的側面などを明らかにすることができ、より効果的な教材提示や学習方法など、授業改善に役立てることができるだろう。



 その他に、共同研究室は、センター所有のノートパソコン12台と持ち込みのノートパソコン1台をLAN接続できる大型デスクと、それらの画面を切り替えて表示できるプロジェクタを備えます。スタジオ/編集室には、新たにノンリニア編集装置が設置され、デジタル音声・映像の編集に対応できるようになっています。


ミニコラム 外国語に想う【17】

「トルファンの少女」

芸術資料館館長・芸術学部教授 倉島 重友

 「リョウガエシテ、トルファン、ギンコウナイ」と彼女は千円札を何枚か差し出した。中国奥地、新彊ウイグル自治区トルファンの観光地、高昌故城でのこと。ここでも日本人観光客が多く、日本円で土産を買って行ったのだろう。
 鈴や帽子を売る土産売りの少女は、5、6歳、小学1年生くらいか、まだ幼いが、観光客から覚えた日本語を巧みに操る。生活がかかっているのだろう、とても逞しい。
 言葉というものは生活の道具でもあるから必要に迫られれば覚えられるものなのであろうか。私にとっての外国語は、中学、高校、大学で勉強した「英語」だけだが、努力も足りなかったが、然したる必要もなかったからか身に付かなかった。そんな私は、彼女の日本語を聞いた時、強い衝撃を感じ、同時に自分の腑甲斐なさを思った。
 あどけなく愛らしい彼女にスケッチのモデルになってもらい、お礼に鈴と帽子を買った。もちろん両替もしてあげた。

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