広島市立大学語学センター Newsletter No.20 (2004.2.12)

p.3

ミニコラム 外国語に想う【15】

「2ヶ月でCD特訓」

情報科学部助教授 高橋 隆一樹

高橋先生 国際会議で講演をするために、2002年にイタリアへ、2003年にはブラジルに出張した。公用語はイタリア語、ポルトガル語で、どちらも全くの不案内だった。英語でのプレゼンテーションを少しでも分かりやすいものにするために講演の英文原稿を推敲することは言うまでもない。 が、それ以前の問題として、見知らぬ国を訪れ、一人で国際会議の会場にたどりつき、飲食をして、寝泊まりし、 無事に帰国しなくてはならない。どちらの場合も2ヶ月前には足下に火がついてCDで特訓した。
  市販の入門的な語学書を買うときCDが付いているものを選んだ。「まずは発音が命だ」という認識を持っていた。NECにいた当時、 はじめての米国出張で地図を買おうとして"map"を"mop"と間違われた経験があった。2ヶ月では文法を覚える余裕などない。まずはアルファベット、「こんにちは」、「ありがとう」、「これはいくらですか?」そして数詞である。訪れる国の通貨によっても違うが100までは数えられるようになっておきたい。イタリアではレジの表示を見せてくれることが多かった。が、 カプチーノの値段を"novanta tre"と言うだけの店があった。小銭で93セントを差し出すと親しげに微笑んでくれた。 いずれにせよ、数をいわなければならない場面は多い。ブラジルでは"quanto custa"という片言と数詞だけで買い物ができた。
  CDは通勤の車で毎日聞いた。 習うより慣れろである。1ヶ月すると意味より先に発音の方が口をついて出てくるようになった。インターネットの普及や航空機の発達で地球は狭くなった。

紹介

英語発話練習ソフトウエア
ENGEL

engel

【ENGELとは・・・?】

 昨年11月から自習室でCD-ROM版の無料配布を初めて以来、瞬く間に飛び立っていったENGEL。「非常に役に立った」、「ゲーム感覚で、楽しく学習できた」など、利用者からの評価も上々。でも、コンピュータで英会話練習?と思っている方もいるのでは?今回はそんな疑問に答えるべく、未来のENGELianに向けて、ENGELの産みの親、 国際学部岩井千秋先生直々に、ENGELについて紹介していただきました。 Check this!!

〜ENGELは救世主?〜

 リリース後売れ(?)行き好調、でもスペルが違う(ANGEL)といってきた人はまだなし。ENGELは天使にかけて、English Generative Learningをもじって名付けた英語学習ソフトです。
  少々手前味噌ですが、ENGELの略歴紹介。ENGELは本学の特定研究費と科学研究費の助成を受けて開発した「英語で言えないことを言えるようにする」ためのソフトです。言語知識の不足を補ってことばで表現しようとすることを、私(応用言語学)の業界ではコミュニケーション方略(CS)というのですが、ENGELはこのCS能力の養成ソフト、というわけです。外国語は「学習」と「使用」でワンセット、一方で新しい知識への探求心、他方でそれを使って「体験」する好奇心が不可欠。ENGELは来るべきその日に備えるためのソフトとお考えください。
  でも、ENGEL愛好者の皆さんにひとつ白状しなくてはいけないことがあります。実は、ENGELは私の研究の副産物だったんです。副産物であっても、皆さんの「救世主」になるのならタダで使ってもらう、そんな思いがENGELには込められています。CD-ROMからでなくても、下記のサイトからでもダウンロードできます。どうぞお気軽におためしください。

http://chiaki.intl.hiroshima-cu.ac.jp
(お願い)ENGELご利用の方にアンケート調査への御協力をお願いしています。こちらも、どうぞよろしく!

←目次ページへ戻る

1 2 3 4

次のページへ→