広島市立大学語学センター Newsletter No.19 (2003.11.7)

p.1

「特色ある大学教育支援プログラム」に選ばれた
『インテンシブ』

 本学の多くの学生が、英語授業としてあるいは課外プログラムとして、ネットワーク型英語集中学習プログラム、通称「インテンシブ」を受講しています。この「インテンシブ」を軸とした英語教育改革案「コロンブスの卵的発想による英語教育改革 ―ネットワーク型集中英語学習プログラムによる効果と効率の追求―」が、平成15年度文部科学省の「特色ある大学教育支援プログラム」に採択されました。「特色ある大学教育支援プログラム」とは、同じく文科省によって2年前から実施されている大学研究拠点形成のための「21世紀COEプログラム」の教育版と言われているものです。つまり、優れた教育実践を行っている大学を選んで、そのアイデアや方法を共有しようとする試みです。初めての実施となった今年度は、全国約1,200ある大学の中、660ほどの大学や短大が応募し、80の申請が選出されました。中国地区の4年制大学では、本学と鳥取大学の申請したプログラムが採択されました。
 インテンシブを中心とした、この英語教育カリキュラムの改革案を簡単に説明しますと、1、2年生

の英語授業を80%の訓練と20%の指導に分け、訓練の部分はネットワークによる英語学習プログラムで徹底的に行い、ほとんどすべての先生に残りの20%の指導を担当していただくことによって、1クラス5人程度の超小人数クラスを実現するというものです。そしてこの超少人数クラスでは、リーディング課題を基にしたプレゼンテーション、ディスカッション、スピーチ、ディベートなど、徹底したスピーキング練習を行うとともに、それらをエッセイにまとめるなど、ライティングの指導を行います。そして、80%の訓練をカバーし、そして圧倒的な少人数クラス実現の鍵となるのが、インテンシブプログラムなのです。
 インテンシブの受講者は、受講前後にTOEICを受験します。受講前に500点前後の学生では、受講後、平均120点ほど得点が向上します。中には300点以上も得点がアップする学生もみられます。このように大きな成果がみられたことから、平成14年度より、国際学部1年生必修科目「CALL英語集中」、そして情報科学部・芸術学部1年生選択科目「CALL英語総合」という正規英語科目として導入され、また広島市内の「まちづくり市民交流プラザ」では仕事帰りの市民の方々に年に3回開放されることになりました。現在、年間500名以上の方がこのインテンシブを受講します。
 しかし、インテンシブの完成にはまだかなり時間を要します。80%の英語科目をカバーするためにも、これからスピーキングやライティングプログラムを開発し、またそれらに合わせて多量の教材を開発しなければなりません。また、より効果的でより効率の良い学習プログラムの完成を目指し、さまざまな試みを行っています。これからのインテンシブの発展に期待していただきたいと思います。

(P2へ続く)

国際学部教授 青木信之

←目次ページへ戻る

1 2 3 4

次のページへ→