外国語に想う8
◆『親の心子知らず』

 我が家には2年に一度、アメリカ、カリフォルニア州サンタ・ローザからの学生がショートステイします。
 それがご縁で2年前には、我が家の長男があちらで約一月間お世話になることになりました。現在その長男はここ広島市立大学芸術学部美術学科彫刻専攻の学生ですが、当時は高校2年生で大学受験の真っ最中。親としては、英語が苦手な長男でもアメリカへ行けば英語が好きになるだろう、少し位は自信をつけるだろうと思ったからでした。
 で結果はと言いますと、彼は楽しくアメリカの生活をエンジョイして来ました。しかし、ほとんど英語をしゃべらずに日本語だけで約一月間アメリカのホームステイを過ごしたようです。彼が自信をつけて帰国したことは『英語をしゃべらずにアメリカで過ごす』ことだったのです。『親の心子知らず』とは正にこの事です。
 その長男も、この大学では英語とアラビア語を受講しています。「両方とも授業は楽しい」と言っていますが・・・。

芸術学部教授 若山 裕昭

←No.9へ戻る