CALLなクラス
「科学英語演習」

 現在科学英語演習 I という授業で403教室を使っています。ネットワークになっていることはもちろん、各ブースがインターネットに個別に接続できるという、CALL教室としては最先端の教室です。各学生の提出物はファイルとして配付や収集が簡単にできるので、紙をいちいち使わなくて済みます。本来のLLとしての機能も充実しており、音声をコンソールのメモリに記憶させれば、テープに録音しなくても、各学生が、自分の操作でその音声をくり返し聴くことができるのです。ビデオ映写機能や、机上提示装置も重宝しています。
 授業は、科学に関するアメリカのテレビ番組を編集して作られたビデオ教材をテキストとして使用し、おおまかな情報を得る練習、ヒアリングの力をつける練習を中心に置きながら、科学分野の語彙力の増強と、理論的な文章を読む力をつけることを目標にしています。情報関係の専門の学生が対象ですが、意外とタイピングができない学生も多いので、まずタイピングやワープロの使い方などからはじめています。コンピュータの使用や、科学的な内容の文章を読むことに慣れたら、各自がインターネットで興味ある科学分野の英語によるホームページを探して、内容の要約などのレポートを作成するといった作業を行ってもらおうと思っています。誰でも、一番興味のあることには、自主的に取り組もうとするでしょうからね。教師はそれを手助けするというのが理想だと思います。
 非常に設備がいいので、それをいじっていると何かやったような気分になってしまいがちですが、本来の英語の力をつけることをおろそかにしないよう気をつけなければいけないと、常々考えています。どんな世界でも最後にものをいうのはハードよりソフトでしょうから。

姫路獨協大学・非常勤講師
吉本 和弘

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