“おお、わがフィルム・ライブラリィよ”
「耳」学問と「目」学問に精を出そう、平井友義教授に聞く

 開学以来、語学担当以外の教員の中で、もっとも気軽に繁々と語学センターにお見えになる方は?断トツは前国際学部長の平井友義教授です。そこで学生諸君になにか“ためになる”お話をと、平井先生に伺いました。<編集者注>

「乱観」、これが第一歩になる

 私は語学センターによく足を運びます。目的はそこのビデオを観るためです。もっと正確に言いますと、観ることが80%で言葉を勉強することが残りの20%です。私には「乱読」ならぬ「乱観」気味のところがあって、あれもこれも手をだします。

ドラマ仕立ての歴史ものがよい、
『ドクトル・ジバゴ』でロシア革命おさらい

 前に一度観たフィルムに出会うのも悪くありませんが、ドラマ仕立ての歴史ものも大歓迎です。つい先程もパステルナーク原作の『ドクトル・ジバゴ』(デヴィド・リーン監督)に逢って、ロシアの革命をもう一度おさらいしたような気分になりました。まさに「おお、わがフィルム・ライブラリィよ」です。

“宝の山”を忘れるな

 私が大学の授業で教材用のフィルムが上映されるのを見たのは、30年ほども前のウィスコンシン大学の教室でしたが、当時は羨ましく思うだけであった設備が、それより何倍もすばらしくなって現在われわれの大学で自由に使えるようになったのです。うれしいことです。学生諸君も自分たちがいま宝の山にいることを忘れないで欲しいものです。

 私の掘り出しものには、独ソ戦終了後、ソ連で行われたドイツ人戦争犯罪人の裁判と処刑のドイツ語ビデオがあります。一石二鳥とはこういうものを指すのだろうと思いました。
 皆さんも正規の授業のほかに、どうか「耳」学問と「目」学問にも精出して、いまのうちにたっぷり滋養を取り入れてください。語学センターはそれを待っているはずです。

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